パラクティブツアー®

NEXCO中日本サービスとの出会い

 2022年の8月に開催された「第7回全国高校生SBP交流フェア」に私たちインターアクトクラブが出場していたところ審査員として参加されていたNEXCO中日本サービスさんが私たちのプレゼンテーションに興味を持ち、私たちの夢の一つであった障害が理由で普段旅行に行けない人たちに旅行する機会を与えることが叶いました。NEXCO中日本サービスは高校生たちの夢の実現を支援するための意見交換会を開くことにしました。意見交換会では、「障がいを持っている人も参加できる旅行ツアーを企画できないか」という提案があり、これが「パラクティブツアー」の企画につながりました。高校生たちは障害者支援のノウハウや福祉団体とのコネクションを活かし、NEXCO中日本サービスは高速道路を使った移動支援や沿線地域との連携を提供することで、双方の強みを生かした協力関係を築きました。

 月に一度のミーティングを通じて連携を強め、市場調査や保護者へのヒアリング、現地視察などを行い、ツアーの準備を進めました。そして、10か月の準備期間を経て、「パラクティブツアー」という名前で、障害のあるなしに関わらず、誰もが旅行できる社会の実現を目指すツアーが実現しました。

全国高校生SBP交流フェアについて

高校生が主体的に地域の課題をビジネスの手法を用いて解決している取り組みについて発表・交流する場

みち×まちcolon’sについて
みち×まち

NEXCO中日本サービスが取り組む
持続可能な地域社会づくりをめざす地域共創プロジェクトのプラットフォームです。
Sound development Sustainability Sharing
Sound development:地域社会の健全な発展に寄与するプロジェクトであること
Sustainability:地域社会にとって持続的なプロジェクトであること
Sharing:プロジェクトで得た利益を地域社会と分かち合うこと
この3つのSをプロジェクト是とし、高速道路を通じ地域と人をつなぎ、
自治体や企業と協同でさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。
詳しくはみち×まちcolon’s公式サイト

パラクティブツアーに込められた思い

並んで立つ×アクティブ

「パラクティブ」という名前は、「パラ(並んで立つ)」と「アクティブ(活動的な)」の二つの言葉を組み合わせた造語です。この名前には、障がいの有無に関わらず、すべての人が並んで活動し、共に楽しむことのできる社会の実現を目指すという深い思いが込められています。

 このツアーは、障害者とその家族が安心して旅行できる環境を提供するために、参加していただく方一人一人にヒアリングを行っており、細かい要望に可能な限り応えています。高校生との交流、様々な体験アクティビティによって利用者の知的好奇心を刺激して新たなを視点・興味を持ってくれることを願っています。

パラクティブツアーの活動

 私たちは2023年の4月に第1回パラクティブツアーin高山・白川村を実施しました。

 今回このツアーに参加して頂いた障害者とそのご家族からは普段一緒にお出かけをすることでさえも難しいと言っていました。その困難を実現するためにNEXCO中日本サービスさんやツアー参加者さんと何回も話し合いを重ねていき課題点をリストアップしていきました。さらに、私たちインターアクトクラブの部員が実際に白川郷に下見に行き、現地で車椅子に乗ってバリアフリーのルートを走り、歩いているときに事故が起こりそうな場所をがあるかなど、話し合いの時に挙がった問題を一つ一つ克服していきました。また、白川村役場にて白川村村長と意見交換会を行い、このツアーの後援となっていただきました。

 実際に参加した方からは以下のようなメッセージをいただきました。

保護者

娘と初めてバス旅行をして、とても楽しい思い出ができた

保護者

2人で旅行するのは、娘から目を離せないので難しい。ボランティアさんと一緒というのがとても心強く安心できた

 このように参加者してくれた方々は観光地を回っている間は楽しそうにしていました。さらに、私たちが利用者さんと遊んでいる間に同伴してくれた保護者の方々はゆっくりとお店を回り買い物も楽しんでいました。

 私たちはプロではないため、完璧なアシストを提供することは難しいと自覚しています。しかし、他のツアーでは参加者がその場限りの体験で終わってしまうことが多い中、私たちは参加者の皆さんに心地よく楽しんでいただくために、事前に何度も訪問させていただきます。このプロセスを通じて、当日は参加者の皆さんがストレスなく思い切り楽しむことができるだけでなく、私たちも個々の特徴や好みに応じた的確なサポートを行いやすくなります。
 私たちの目指すのは、単なる観光ではなく、心に残る体験を提供することです。参加者の皆さんと共に過ごす時間を大切にし、より深いコミュニケーションと理解を築くことで、特別な思い出を創り出すお手伝いをいたします。

 パラクティブツアーのしおりも私たちインターアクトクラブが作製しました。このしおりには参加者さんに楽しんでもらうために工夫しました。私たちが作製したしおりの一部を掲載したので是非見てください。

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パラクティブツアーが作りたい未来

 私たちの目指す未来は、すべての人が自身のペースで自由に楽しむことができる旅行体験を提供することです。障害を抱える方々やそのご家族が、ストレスを感じることなく、安心して外の世界を楽しむことができる環境を整えることが私たちの使命です。

 パラクティブツアーは、単なる観光を超えた、心のつながりを大切にするインタアクトクラブの活動の一つです。私たちは、参加者の皆さん一人ひとりに寄り添い、事前のヒアリングや下見を通じて、各人のニーズや希望を深く理解します。これにより、当日はリラックスした状態で、思い出に残る体験を心から楽しむことができるのです。

 私たちの活動は、nexco中日本サービスさんとの連携から始まり、さまざまな障害者コミュニティと共に進化しています。参加者の方々が自分らしく過ごせるよう工夫し、心の成長や新たな発見の場となることを願っています。

 現在、障害者施設や事業所単位での社会見学ツアーを企画しています。この施設の利用者の中には、集団生活に不安を抱え、不登校になってしまった方々も多くいます。急に学校で社会見学に参加しても、心から楽しむことは難しいでしょう。そこで、私たちは事前に「プレ社会見学」を実施することで、参加者がリラックスして慣れていける環境を整えることを目的としています。

 私たちの取り組みを通じて、障害を持つ方々がより多くの体験をし、社会とのつながりを深めていける未来を創造していきます。